<写真:nld.com.vn>
ハノイ市疾病対策センターは3月20日から27日にかけて、同市内12の地域で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者17人を確認したと発表した。
2026年初めからの累計感染者数は29人となり、感染が確認された地域は22に広がっている。前年同期と比べると5人多いが、これまでに死亡例は報告されていない。
ハノイ市保健局は、現在流行しているウイルス株の検査結果を公表していない。
ただし、市民に対しては新たな変異株BA.3.2への警戒を呼びかけている。BA.3.2はオミクロン株に属する下位系統であり、海外では「Cicada(セミ)」の通称でも呼ばれている。
世界保健機関(WHO)と米国疾病対策センターは、この変異株をいずれも「監視対象の変異株」に位置付けている。
WHOは公衆衛生上のリスクについて、現在流行している他のオミクロン系統と比べて低いと評価している。
現時点では、重症化や入院、死亡の増加を示す明確な証拠は確認されていない。既存のワクチンについても、重症化や死亡の予防に引き続き有効であるとみられている。
BA.3.2は、2024年11月に南アフリカで初めて確認された。
専門家の間では、スパイクたんぱく質に多数の変異を持つことから、免疫を回避しやすくなっている可能性が指摘されている。
一方で、毒性が従来株より強まったと断定する見方には慎重な姿勢が示されている。
グエルフ大学の進化生物学者ライアン・グレゴリー氏は、長期間にわたって変異を蓄積した特徴になぞらえ、この系統に「Cicada」という通称を与えた。
ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のアンドリュー・ペコス氏は、変異の多さによって免疫がこのウイルスを認識しにくくなっていると説明している。
他方、NYUランゴン・ヘルスのダナ・マゾ氏は、遺伝子変化の一部がヒト細胞への結合能力を弱めている可能性があるとみている。
ハノイ市の保健当局は、医療機関、人混み、密閉空間ではマスクを着用するように推奨している。
特に、せきや発熱、呼吸器症状のある人に対して注意を呼びかけている。
また、手洗いや消毒に加え、ドアノブ、机、携帯電話など、接触頻度の高い表面の清掃も継続するように求めている。
ベトナム保健省も、世界的な流行状況や変異株の動向を注視しつつ、予防医療機関や診療機関に対して監視体制の維持を指示している。
高齢者、基礎疾患のある人、妊婦などの高リスク層には、症状がある場合は早めに受診するように勧めている。
なお、ハノイ市では同じ週に手足口病の感染者も233人確認され、前週より46人増加した。
年初来の累計は1320人に達し、前年同期を582人上回っている。ハノイ市当局は、感染症全般について地域の医療機関と連携し、早期発見と封じ込めの強化を進める方針である。



































