<写真:cafebiz.vn>
ベトナムでは旧暦の年末にかけて男性の性感染症(STI)による受診が増加しており、医療機関によれば、忘年会や帰省などによる移動の増加に伴い、飲酒後の無防備な性行為が背景にあるとみられている。
ハノイ男性学・不妊病院によると、旧正月(テト)前の時期には男性の受診数が平常時と比べて平均25~35%増加するという。
主な疾患は尿路感染症や性感染症であり、淋病、尖圭コンジローマ、クラミジア感染症、性器ヘルペスが多く報告されている。
さらに、勃起不全や早漏といった性機能障害の相談も目立つ状況である。
長距離移動時における衛生管理の不足や排尿の我慢、辛味の強い食品や酒類の過剰摂取も、尿路粘膜の炎症を引き起こす要因である。
これにより免疫力が低下し、二次感染の増加につながっていると指摘されている。
中央皮膚科病院では、2025年の性感染症関連の診療件数が約1万5000件に達した。
とりわけヒトパピローマウイルス(HPV)感染の増加が顕著であり、尖圭コンジローマだけで約1万3000件、患者数は1万人を超えている。
同院の専門外来担当医によれば、HPVは主として性行為時の皮膚や粘膜の接触によって感染する。
膣性交に限らず、肛門性交や口腔性交も感染経路となる。
感染年齢は若年化の傾向にあり、15歳未満の受診例も確認されている。
若年層が早期に受診するようになったことも一因であるが、性行動の開始年齢が低下している実態を反映しているとも指摘されている。
ハノイ性医学センターの副所長は、年末は会食や移動が増加し、飲酒によって行動の抑制が弱まりやすいと説明する。
実際に、性感染症と診断された男性の多くが、事前に飲酒していたと証言している。
性感染症は疾患ごとに潜伏期間が異なる。淋病は2~7日と比較的短いが、梅毒やHPV、HIVは数週間から数カ月に及ぶ場合がある。
そのため、年末のリスク行動が直ちに症状として現れないこともあり、無自覚のままパートナーに感染を広げる恐れがある。
また、地域間の移動によって異なる病原体株に接触することで、感染リスクが高まる可能性もある。
医師らは予防策として、コンドームの使用を最も有効な手段と位置づけている。
適切に使用すれば、多くの性感染症の感染リスクを約98%低減できるとされる。使用期限の確認や高温環境での長期保管を避けることも重要である。
さらに、男性用洗浄剤などを用いた適切な衛生管理を心がけるとともに、26歳以下を中心としたHPVワクチンやB型肝炎ワクチンの接種が推奨されている。
高リスクの性行為があった場合には、72時間以内に専門医療機関でHIV曝露後予防(PEP)について相談すべきである。
疑わしい症状がある場合には、速やかに検査を受けることが求められる。





































