<写真:tuoitre-vn>
ベトナム南部ホーチミン市を中心に、飲食店の価格引き上げの動きが広がっている。
主因は原材料費と燃料費の高騰であり、各店舗は数千ドン規模の値上げを余儀なくされている。一方で、消費低迷への懸念から、対応は総じて慎重である。
ホーチミン市内の飲食店では、麺類や定食、バインミーなどの価格が1品あたり2000〜1万ドン(約12〜60円)上昇している。
上げ幅はおおむね5〜15%であるが、一部では最大50%の値上げも確認されている。
背景には、豚肉や魚介類、野菜といった食材価格の上昇に加え、ガス代や輸送費の急騰がある。
特にガス価格は2026年3月以降、12キロボンベあたり約3万ドン(約180円)上昇し、45万〜54万ドン(約2700〜3240円)で推移している。
為替や国際エネルギー価格の変動が影響し、輸入および流通コストが押し上げられている。
また、レモンなど一部食材は数倍に値上がりしており、小規模店舗の負担は急増している。
一方、顧客の節約志向は依然として強い。多くの店舗が常連客の離反を懸念し、値上げを最小限に抑えるか、コスト削減によって対応している。
労働者や学生を主な顧客とする大衆食堂では、価格転嫁に対して特に慎重な姿勢が際立っている。
同様の傾向はハノイ市でも見られ、フォーの価格は1杯あたり5000〜1万ドン(約30〜60円)上昇している。
全国的にも食品価格は上昇しており、品目によっては前年同期比で30〜50%の値上がりが確認される。供給減少もまた、価格を押し上げる要因となっている。
さらに燃料価格の上昇は物流コストにも波及しており、運賃は最大36%上昇している。包装資材や輸入食材の価格も上昇しており、飲食業界全体でコスト圧力が強まっている。
政府はガソリン価格安定基金の活用などにより物価抑制を図っているが、2026年2月の消費者物価指数は前年同月比で3.35%上昇した。
年初から2カ月平均でも2.94%の上昇となっており、外食価格の上昇がインフレを押し上げている状況である。
需要回復が鈍い中、値上げと集客維持の両立は容易ではなく、飲食店は厳しい経営判断を迫られている。






































