<写真:nguoiquansat.vn>
ベトナムの飲料市場では、コーヒーやタピオカミルクティーの消費頻度が低下し、市場成長にも減速傾向がみられている。
これは、外食向け管理プラットフォームを提供するiPOSとNestlé Professionalによる共同調査で明らかになったものである。
2025年の飲料業界売上高は前年比6.1%増の約125兆ドン(約7400億円)となり、市場自体は引き続き拡大している。
しかし、成長率は2023年の20.5%、2024年の13.4%から大きく低下しており、減速傾向が鮮明となっている。
消費行動にも変化がみられる。
回答者約3000人を対象とした調査によれば、コーヒーやタピオカを「毎日」飲む層は18.2%から13.6%へ低下し、週3~4回利用する層もわずかに減少した。
一方で、週1~2回の利用が38.19%と最も多く、月1~2回の低頻度利用層も増加している。
消費者は飲料への需要そのものを失ってはいないが、利用の頻度やタイミングをこれまで以上に慎重に見極める傾向にある。
支出構造をみると、利用頻度の低い層ほど1回当たりの支出額が高く、7万1000ドン(約420円)以上を支払う割合が最も大きい。
これに対し、日常的に利用する層では2万ドン(約120円)未満の低価格帯を選ぶ傾向が強い。
こうした動きから、飲料消費は「ご褒美型」と「日常節約型」に二極化しつつあることがうかがえる。
価格帯別では、3万5000~5万ドン(約210〜300円)が市場の中心価格帯となっており、最も競争が激しい領域である。
全体の約48%の企業が値上げに慎重な姿勢を示しており、この価格帯が需要維持の鍵を握っているとみられる。
- マシン紹介
5万ドン(約300円)を超える価格設定を行うには、品質やブランド価値に裏付けられた明確な付加価値の提示が不可欠である。
業界構造については、市場は「バーベル型」に二極化している。
低価格で高頻度利用を狙うモデルと、高品質かつ高い体験価値を提供するブランドに顧客が集まり、中間価格帯の企業は競争上の圧力を強く受けているという構図である。
ベトナムの飲料市場は、これまでのような急成長局面を脱し、品質や体験価値を軸とする持続的な競争段階へ移行しつつある。
消費頻度の伸びが鈍化するなか、企業には単なる価格戦略ではなく、ブランド力の強化と顧客体験の向上が求められている。


































