<写真:dff.vn>
不動産サービス大手クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの発表によれば、2025年第4四半期におけるホーチミン市の戸建住宅(タウンハウス・ヴィラ)の取引件数が前期比で20倍を超える急増を記録した。
これは、潤沢な供給と積極的な販売政策が功を奏した結果である。
同期間には約1535戸の新規物件が市場に投入され、前年同期比で実に50倍以上に達した。
供給の約92%は市中心部から約60キロ離れた郊外に集中しており、特にヴィングループが手がける大規模開発「グリーン・パラダイス・カンゾー」が供給増の牽引役となった。
残る8%はホーチミン市東部および旧ビンタイン区に位置している。
需要も大きく回復し、成約件数は1167戸に上り、販売率は約70%と堅調な水準を示した。
不動産調査会社JLLベトナムによると、同四半期には全体で2000戸以上が販売され、これは2022年以降で最も高い水準となる。
この急回復の背景には、長らく法的課題によって抑制されていた供給および需要が一気に顕在化したことがある。
注目を集めたプロジェクトとしては、ヴィングループの「グリーン・パラダイス・カンゾー」のほか、カンディエン社とケッペルランドの共同開発による「グラディア・バイ・ザ・ウォーターズ」が挙げられる。
前者は平米単価約1億5000万ドン(約94万5000円)と競争力ある価格設定で新たな投資家層の関心を集めた。
後者は約200戸を供給し、法的整備が完了した初の低層住宅区として注目された。
既存プロジェクトにおいても、年末にかけた割引や金利優遇といった販売促進策が流動性の改善に寄与した。
たとえばヴァンフック・グループは、同社が開発する「ヴァンフック・シティ」において最大28%の割引を提供し、西部地区の別プロジェクトでも約20%の割引を実施した。
価格面では、2025年第4四半期の一次販売価格は平均で約6330ドル(約98万3690円)/㎡となり、前年の約1万3014ドル(約202万2380円)から半減した。
この価格下落は、主にカンゾー地区からの低価格物件の供給割合が増えたことによる「希釈効果」によるものである。
ただし、東部地区では依然として約1万3214ドル(約205万3460円)/㎡と高水準を維持している。
2026年以降は、投資規制の強化や財務要件の厳格化により市場の選別が進むと予想されており、今後の動向は法的課題の解消やインフラ整備の進展に左右されると見られている。
2025年末の急回復は、市場が底を打ち、回復フェーズに移行した兆候とされる。
今後、ホーチミン市では約4500戸の戸建住宅が新たに供給される見通しであり、その大半はカンゾーや北西部の大規模都市開発地域に集中する。
この結果、郊外地域では約9%の価格下落が予測される一方、市中心部では土地供給の逼迫や地価基準の改定により、価格の上昇傾向が続く見込みである。

































