<写真:bvquan5.medinet.gov.vn>
ベトナムにおいて、肥満を巡る社会的偏見が依然として根強いことが、製薬大手ノボ・ノルディスクと調査会社Decision Labの共同調査で明らかになった。
主要5都市の成人1004人を対象に実施したオンライン調査によれば、83%が肥満を慢性疾患と認識している一方で、半数超が「怠惰や意志の弱さが原因」と回答した。
調査はハノイ市とホーチミン市、ダナン市、ハイフォン市、カントー市で実施された。
回答者の多くは、肥満が脂質異常症や心血管疾患、糖尿病と関連していると理解しており、72%はがんや不妊のリスクについても認識していた。
さらに、82%が肥満者は劣等感を抱きやすいと回答し、約8割が精神面や仕事の生産性に悪影響を及ぼすと指摘した。
一方で、約8割が外見を重視する職業では不利になると答えるなど、社会的スティグマの強さが浮き彫りとなった。
専門家は、こうした偏見が医療機関への受診をためらわせる要因になっていると指摘する。
世界保健機関(WHO)は肥満を複雑な慢性疾患と位置付けており、個人の健康のみならず国家経済にも深刻な影響を及ぼすと警告している。
報告書「World Obesity Atlas 2025」によれば、ベトナムの肥満率は東南アジアでは比較的低水準にあるものの、増加速度は域内で最も速い。
肥満に伴う経済損失は、2020年の約40億ドル(約6200億円)から2035年には160億ドル(約2兆4800億円)超へ拡大する見通しである。
医療費も同期間に3倍以上へ増加すると予測される。肥満治療体制の整備度では183カ国中108位にとどまり、医療体制の遅れが課題として浮かび上がった。
背景には、座位中心の長時間労働や加工食品の常用といった生活習慣の変化がある。
回答者の約3分の2が1日6時間以上座って過ごしているとし、3分の1超が加工食品を頻繁に摂取していると答えた。
また、肥満による健康被害が顕在化するまで時間を要することや、子どもの「ふっくら体型」を健康とみなす誤解も、対策の遅れにつながっている。
調査は、肥満を早期介入が必要な慢性疾患として位置付け、医療、政策、企業、メディアが連携した包括的な対策を早急に進める必要があると提言している。




































