<写真:diendandoanhnghiep.vn>
ベトナムの不動産市場は、外国資本にとって魅力的な投資先として注目を集めている。
6日にホーチミン市で開催された座談会「ベトナム不動産―世界の資金の魅力的な投資先」においても、複数の専門家がその点を指摘している。
英系不動産サービス大手Savillsによれば、2026年第1四半期の対内直接投資(FDI)は前年同期比で約20%増加した。
不動産および工業分野は、サプライチェーン再編の進展を背景に直接的な恩恵を受けている。投資主体としては、東北アジアおよび欧州からの資金流入が顕著である。
ベトナムの魅力としては、政治的安定性、法制度の整備、インフラ投資の拡大、高い都市化率が挙げられる。
とりわけインフラ整備は経済構造に大きな変化をもたらす要因であり、2026年から2027年にかけて南部を中心に急速な発展が見込まれる。
また、工業団地や物流網の拡充は新たな経済圏の形成を促し、住宅市場の成長を後押しする要因となっている。
マクロ経済の安定性も投資判断を支える重要な要素である。
2025年のGDP成長率は8%を超える高水準を維持しており、今後も5%以上の成長が期待されている。こうした状況が、外国投資家の信頼を下支えしている。
投資行動にも変化がみられる。短期的な売買益を狙う動きから、長期保有を前提とした実物資産への選別投資へとシフトしている。
投資対象は、都市中心部の収益性物件、インフラ整備の恩恵を受ける衛星都市、観光需要を背景とした沿岸リゾートの三分野に集中する傾向が強い。
検索データにおいても外国人の関心は高まっており、2023年以降、不動産関連の検索数は約28%増加している。
関心の内訳を見ると、約4割がホーチミン、2割強がハノイ、約15%がダナンやニャチャンなどの沿岸都市に集中している。
さらに、日本や韓国の投資家は、自国市場の成熟を背景に、成長余地の大きいベトナムへの関心を一層強めている。
加えて、環境・社会・ガバナンス(ESG)基準への適合が投資判断における重要要素となっており、持続可能性を備えたプロジェクトが優位性を持つ傾向にある。
有望な投資分野としては、工業用不動産および沿岸都市開発が挙げられる。
インフラ整備の進展により、ベトナムはタイやインドネシアと比較しても、なお大きな成長余地を有している。
こうした状況の中で、大規模複合都市への資金集中が進行している。
不動産開発大手Vinhomesが手掛けるカンザー地区の大型プロジェクトは、立地、規模、開発方針、収益創出力を兼ね備えた代表的な事例である。
観光、商業、サービスを統合した都市モデルにより、長期的な資産価値の向上と安定収益の実現が期待されている。
総じて、ベトナム不動産市場は構造的な成長と制度整備を背景に、短期的な投機対象から中長期の安定投資先へと位置付けが変化している段階にある。
外国資本にとっては選別投資の局面に入りつつあり、今後は質の高いプロジェクトへの資金集中が一層進む見通しである。


































