<写真:nguoiquansat.vn>
アジア開発銀行(ADB)は、2026年のベトナムの国内総生産(GDP)成長率を7.2%と予測した。中東の紛争による影響がある中でも、柔軟な政策対応が成長を支えるとみている。
ADBのチーフエコノミストであるグエン・バ・フン氏によれば、原油価格上昇という外的ショックに対し、当局が迅速かつ柔軟に対応したことが経済成長を下支えしている。
政府は減税や価格安定基金の活用、燃料価格の機動的な調整などの時限的な財政措置を講じ、短期的なインフレ圧力の抑制と成長支援に寄与した。
ADBは2026年のインフレ率を4%と予想しており、成長率は政府目標の10%を下回るものの、2025年の8%成長という高い基準を踏まえれば前向きな水準と評価している。
今回の予測は、ブレント原油の現物価格が2026年に1バレル当たり72ドル(約1万1520円)、翌年に63ドル(約1万80円)へ低下するシナリオに基づく。
足元の先物価格は約97ドル(約1万5520円)で推移している。
ADBは3月末に、第2四半期に105〜155ドル(約1万6800〜2万4800円)のレンジとなり、その後紛争終結に向けて下落する複数シナリオも示していた。
一方で、より厳しいシナリオにおけるGDP予測は示していない。これは各国政府の対応など複数要因を踏まえる必要があるためとしている。
地域全体では、ASEAN10カ国の成長率が2026〜2027年に0.6〜2.3%押し下げられる可能性があるとの試算も示したが、各国の政策対応は織り込まれていない。
ADBは長期的な対応として、エネルギー利用効率の向上、供給源の多様化、クリーンエネルギーへの移行加速を提言した。
中東情勢が長期化した場合、ホルムズ海峡を通過する石油やガス、肥料の供給に支障が生じ、輸送コストや時間の増加を招く可能性がある。
また主要貿易相手国の成長鈍化は貿易黒字の縮小を通じて、ベトナムの成長を下押しする要因となり得る。
加えて、米国の緊急関税措置から150日後の税制動向も不透明である。
購買担当者景気指数(PMI)は、紛争が発生した3月に50近辺まで低下し、それまでの高水準から減速の兆しを示した。
中期的には、公共部門の効率向上や民間投資の誘致、経済の耐性強化が成長の鍵とされる。
制度改革や行政再編を進めるとともに、公共投資の最適化と法制度の整備が重要な施策として挙げられている。

































