<写真:vietnamnet.vn>
エネルギー価格の上昇を受け、ホーチミン市の企業団体や小売各社は3月17日、商工省の作業部会に対し、コスト負担の軽減と生産安定化に向けた緊急対策を要請した。
燃料高は農業、製造業、物流、小売りに至るまで幅広く波及しており、企業側は資金支援や市場監視の強化、原材料調達規制の緩和などを求めている。
化学肥料大手ダム・カマウは、原油価格が1バレル当たり10ドル(約1596円)上昇するごとに総コストが約5250億ドン(約31億850万円)増加すると説明した。
販売価格の見直しは避けられないが、農家への影響を抑えるため値上げ幅は最小限にとどめる方針である。
また、安価なアンモニアを尿素肥料と偽装して流通させる不正を防ぐため、当局に対し市場監視の強化も求めている。
ベトナム食糧協会は、コメの一時買い上げに活用可能な年利5〜6%程度の優遇融資制度の早期導入を提案した。
足元ではコメ価格が下落する一方で投入コストは上昇しており、コメ1kg当たり少なくとも30ドン(約0.18円)の負担増が生じているという。
メコンデルタでは冬春作の収穫期を迎えているが、輸送船や収穫機で使用する軽油の一部不足も続いている。
業界団体によれば、国際物流費も急騰している。米欧向けの輸送日数は10〜14日延び、コンテナ運賃は1本当たり2000〜4000ドル(約31万9198〜63万8396円)上昇した。
石油由来原料への依存度が高い履物や繊維産業では打撃が大きく、履物業界では物流費が15〜20%、原材料費が約30%上昇した。
一方で、販売価格は事前契約で固定されているため、採算悪化への懸念が強まっている。
繊維業界も原材料の約7割を輸入に依存しており、輸出額の4割を占める米国市場の変動リスクに直面している。
鉄鋼やセメント各社も、原材料費と輸送費の上昇により値上げを迫られているが、市場への影響を抑えるため値上げ幅の圧縮に努めている。
ベトナム水産輸出加工協会は、市場情報の提供拡充と「リスクマップ」の整備を通じ、企業が価格変動に迅速に対応できる仕組みの構築を提案した。
繊維や履物業界からは、生産向け原材料の輸入規制緩和を求める声も上がっている。
生産企業は、ガス供給の安定化や石油価格の調整策により、膨張する物流費の抑制が不可欠であると訴えている。
国内流通においても価格維持は限界に近づいている。複数のスーパーは、燃料高が続けば現行価格を維持できる期間はあと2〜3週間にとどまるとの認識を示した。
イオンの現地担当者は、輸入品がコスト上昇と輸送遅延の圧力を受けており、サーモンなど遠隔地由来の商品では供給寸断のリスクが高まっていると指摘した。
プラスチック製品の一部は約30%値上がりし、品薄も発生している。
小売り大手ウィンコマースによれば、取引先の約7割が5〜20%の値上げを要請しており、価格改定が認められないことを理由に供給を一時停止した事業者も存在する。
セントラル・リテールも、投入コストと運営費の上昇を認めつつ、生活必需品を中心に価格安定に努める方針である。
ホーチミン市商工局は、市場動向を注視しながら供給確保と価格安定を図る方針である。
企業支援策として需給連携の強化や広報の拡充を進め、コスト抑制と価格維持期間の延長を後押しする。
政府側は当面、関係省庁と連携して企業の要望を取りまとめ、権限の範囲内で迅速に対応する構えである。
中長期的には、内需開拓を含む市場多角化を推進し、輸出依存の緩和を図る考えである。




































