<写真:vtcnews.vn>
配車アプリ各社が料金や手数料の引き上げに踏み切る一方、競争の焦点は配車速度や運転手の確保などサービス品質へと移行している。
配車アプリのBeは、5年間維持してきた料金水準を見直し、5月8日から一部サービスの料金を引き上げると発表した。
新料金では、バイク配車の最初の2kmの最低料金が1万3817ドン(約83円)となり、その後の12kmは1km当たり4600〜5400ドン(約28〜32円)上乗せされる。
四輪車サービスでは、最初の2kmが3万1500〜3万8400ドン(約189〜230円)となり、その後の12kmは1km当たり1万1000〜1万4000ドン(約66〜84円)が加算される。
同社は、燃料費をはじめとする運営コストの上昇を背景に料金を調整したとしており、運転手の収入は1回当たり2〜11%改善する見込みである。
これに先立ち、Grabも4月28日から複数サービスの手数料を見直した。
バイク配車では1回当たり3000ドン(約18円)のプラットフォーム料を導入し、四輪車では地域や距離に応じて5000〜1万9000ドン(約30〜114円)の手数料を設定した。
追加収入は運転手支援プログラムに充てるとしている。
業界関係者によると、配車アプリの値上げは従来型の運輸サービスより遅れて実施される傾向がある。
各社は運転手への補填と利用者の反応のバランスを慎重に見極めてきたためである。
燃料価格が上昇した局面では、内部資金で運転手を支援し料金据え置きを維持してきたが、コスト高が続く中で値上げは避けられない状況となっている。
利用者側では、料金上昇に加え、ピーク時や降雨時、需要が集中する地域での負担増が見込まれる。
一方、市場では競争の軸が変化している。
従来は割引クーポンの多寡が競争の中心であったが、現在は配車の速さ、待ち時間の短縮、運転手のキャンセル率低下などが重視されている。
利用者は複数のアプリを同時に起動し、料金と待ち時間を比較して最も条件の良いサービスを選ぶ傾向が強まっている。
市場調査会社Mordor Intelligenceによると、ベトナムの配車市場は2026年に12億5000万ドル(約1875億円)規模に達し、2031年には30億5000万ドル(約4575億円)へ拡大する見通しで、年平均成長率は19%超とされる。
競争戦略も多様化している。Green SMは電動車による統一車両体制を強みに、2026年第1四半期時点で市場シェア54%超を確保し、18カ月連続で首位を維持した。
同四半期の市場総取引額は5億8071万ドル(約871億円)、総乗車数は1億5300万回超で、電動車とハイブリッド車が取引額の58.34%を占めた。
Grabはデータや人工知能(AI)を活用し、運転手向けに充電ステーションの状況確認や決済機能をアプリ内に統合するなど、稼働効率の向上を図る。
電動車の運転手の62%が複数の充電アプリを利用しているとの調査結果を踏まえ、充電時間の短縮による稼働率向上を狙う。
また、同社はAIを活用した13の新機能を発表し、相乗り機能や個別最適化された提案、観光プランの提示、周辺施設の検索などを展開する計画である。
Beは運転手のコスト負担軽減に注力し、AIZENベトナムと提携して約3万台の電動バイクを供給する。
運転手は月額140万ドン(約8400円)でのリースや、1日6万ドン(約360円)からの分割購入が可能となる。
電動車への転換意向は2025年の約15%から2026年初めには47%へ上昇した。
一方、Tadaは4月22日からプラットフォーム手数料を全面免除し、運転手が運賃の100%を受け取れる仕組みを導入した。
各社はそれぞれ異なる戦略を採りつつも、配車の迅速化と利用者満足の向上を最終目標として競争を強めている。




































