<写真:xaydungchinhsach.chinhphu.vn>
ベトナム政府は、国家エネルギー安全保障の強化に向け、戦略的な石油備蓄施設の整備を本格化させる方針である。
ファム・ミン・チン首相は3月29日、北中部タインホア省のギソン経済特区を訪問し、国家石油備蓄基地の建設予定地を視察した。
チン首相は地元当局に対し、用地取得に向けた住民との協議および用地解放を迅速に進めるように指示するとともに、商工省に対しては緊急時にも即応可能な事業設計を求めた。
事業主体については「能力のある企業に担わせる」とし、供給源の多様化を通じたエネルギー安全保障の確保を強調した。
ベトナムは現時点で独立した国家備蓄施設を有しておらず、石油備蓄は民間企業のタンクを活用する形で約7〜10日分にとどまっている。
政府はこれを2030年までに90日相当へ引き上げる方針であり、専用インフラの整備が喫緊の課題となっている。
この背景には、中東情勢の緊迫化に伴う供給リスクの高まりがある。
チン首相は直近のロシア訪問時に国営石油企業ザルベジネフチと協議し、長期的な原油供給および備蓄施設整備に関する協力提案を受けている。
また、現地のギソン製油・石油化学社は最大稼働を維持し、国内需要の約35%を供給している。
政府は同施設への安定的な原油供給の確保に加え、ホルムズ海峡を経由する輸送体制の強化も進める方針である。
専門家は、国家備蓄の整備が価格安定および需給調整に不可欠な政策手段になると指摘する。
一方で、液化天然ガス(LNG)を含む総合的なエネルギー備蓄インフラの構築も今後の課題であるとされている。



































