<写真:tapchihangkhong.vn>
燃料費の上昇が航空各社の収益を圧迫する中でも、ベトナムの航空会社は4月30日の南部解放記念日と5月1日のメーデーに伴う大型連休に向け、増便を維持する方針である。
需要期に供給を絞れば移動需要に対応できず、路線網の維持にも支障が生じるためである。
ベトナム航空グループは、フン王の命日と大型連休に合わせ、国内線と国際線で計約112万席を供給する計画であり、これは前年同期比で約16%の増加となる見通しである。
総便数は約5500便に達する。国内線では約3800便、約73万席を用意し、便数は13%以上、座席数は16%増となる。
増便はダナン、ニャチャン、フーコック、フエ、クイニョンなどの主要観光地と大都市を結ぶ路線に集中する。
ただし、供給拡大がそのまま運賃引き下げにつながるわけではない。
航空各社によれば、燃料費は運航コストの3〜4割前後を占める主要費目であり、足元の価格上昇が経営を直撃している。
ベトナム航空は、増席の目的はあくまで需要への対応と搭乗率の最適化にあり、運賃を大幅に引き下げる余地は乏しいと説明している。
ベトラベル航空は、4月だけでも燃料価格の上昇によって保有機1機当たり約200億ドン(約1億2100万円)の追加負担が生じる可能性があるとみている。
それでも繁忙期には増便が不可欠であるため、4月から5月にかけて発着枠の運用を柔軟にするように当局へ求めている。
バンブー・エアウェイズも、入力コストの上昇と市場環境の変化を踏まえ、まずは現実的な事業運営を優先する姿勢を示している。
このように各社は、需要期から撤退することはできない一方で、増便すればするほど費用負担が膨らむという板挟みの状態にある。
供給不足を回避しつつ、便数、輸送量、路線接続を維持するため、採算を犠牲にした対応を迫られているのが実情である。
実際に、路線再編も進められている。
ベトナム航空は4月初めから、カットビ〜バンメトート、カットビ〜フーコック、ホーチミン〜ディエンビエンなど一部国内線を運休した。
ベトジェットエアも4月の総供給量を約18%減らし、複数の国内線で運航頻度を引き下げている。
市場では、単なる運賃水準だけではなく、需給の安定をどこまで維持できるかが焦点となっている。
こうした状況を受け、建設省は民間航空局に対し、国内線への燃油サーチャージ導入をめぐる法的根拠、権限、算定方法に加え、航空運賃上限の見直し案との比較も含めた検証を求めた。
消費者物価指数への影響や、付加価値税を含むかどうか、現行の普通席上限運賃の妥当性についても再点検を指示している。
さらに、離着陸料や航空管制関連費用など、一部航空サービス料金の引き下げも検討課題となっている。
これに先立ち、ベトナム民間航空局は4月1日から6月30日までの時限措置として、国内線航空券に燃油サーチャージを導入する案を提示していた。
ジェット燃料「Jet A1」が一時1バレル230ドル(約3万6500円)を超える中、航空券1枚当たりの上限は68万ドン(約4120円)を想定している。
区間ごとの上乗せ額が30万〜68万ドン(約1820〜4120円)となれば、航空券価格は約10〜20%上昇する可能性がある。
連休を前に、観光路線の運賃はすでに上昇基調にある。
ホーチミン〜ダナンの往復航空券は好時間帯で約400万ドン(約2万4200円)から、ホーチミン〜ニャチャンは約580万ドン(約3万5100円)、ホーチミン〜フーコックは560万ドン(約3万3900円)超となっている。
4月28日のハノイ〜ホーチミン線は片道で、ベトナム航空が約366万8000ドン(約2万2200円)である。
また、ベトラベル航空が受託手荷物別で270万ドン(約1万6400円)台、ベトジェットエアが280万ドン(約1万7000円)前後、サン・フーコック航空が290万ドン(約1万7600円)前後となっている。
これは通常期より1枚当たり約90万ドン(約5450円)高い水準で推移していることを示す。
ハノイ〜フーコック線では片道460万〜550万ドン(約2万7900〜3万3300円)に達し、往復で900万ドン(約5万4500円)を超える例もみられる。
最終的な制度決定はなおこれからであるが、市場はすでに先回りして反応している。
旅行者は早期購入や近距離・短期間旅行へと動き、旅行会社も商品構成を柔軟に見直している。
航空各社は、費用増に対する明確な解決策が見えないまま、それでも繁忙期の輸送維持を続ける構えである。





























