<写真:baoangiang.com.vn>
ベトナム南部の経済都市であるホーチミン市では、夜間観光の潜在力が指摘されている一方で、観光客による夜間消費は期待される水準に達していない。
こうした状況を受け、観光業界からは飲食、娯楽、買い物などを組み合わせた「オールインワン型」の観光商品整備を求める声が強まっている。
現状では、多くのナイトツアーが22時から23時頃に終了しており、深夜まで連続的に楽しめる体験は限定的である。
また、飲食店やショー、商業施設などのサービスが個別に存在し、統合された導線が欠けている。
このため、短期滞在の外国人客やMICE需要の利用者にとっては、複数の体験を自ら組み合わせる負担が大きい状況にある。
サイゴンツーリストによれば、観光客が夜間に積極的に支出するためには、安全性、交通の利便性、料金の透明性、サービス品質の安定といった前提条件の整備が不可欠である。
そのうえで、夕食、観光、エンターテインメント、買い物、移動を一体化した半日完結型の商品が求められているとする。
企業側にとっても商品化には課題が多い。
運営時間の明確化、多言語対応、安全対策、送迎体制などの標準化が不可欠であり、これらが整わなければ継続的な販売や大規模な展開は困難である。
夜間経済の発展においては行政の役割も重要である。
都市計画の観点から夜間活動エリアを整備し、交通インフラ、照明、景観、イベント運営、観光プロモーションを一体的に推進する必要がある。
さらに、リバークルーズ、食文化、エンターテインメントや商業施設を軸としたクラスター型開発により、回遊性の向上と消費機会の拡大が期待される。
同市は河川資源や多様な食文化、既存の文化公演といった強みを有しているが、専門家は物語性とブランド力を備えた看板ショーの不足を課題として挙げている。
また、夜間交通の整備は基盤条件であり、移動時間や接続の不便さが解消されなければ、いかに魅力的な商品であっても実用性を欠くと指摘されている。
夜間観光の活性化には、継続的なプログラム運営と内容の刷新も不可欠である。
単発のイベントにとどまらず、定期開催によるブランド化を進めることで、訪問動機の創出とリピーターの獲得につなげていく必要がある。


































