<写真:nld.com.vn>
ベトナム北部において、勤務後に中国語を学ぶ社会人が増加している。
特に中国系外資企業(FDI)が集積するバクニン省やハノイ市では、語学力が昇進や収入増に直結するとの期待から、労働者の間で夜間語学クラスに通う動きが新たな潮流となっている。
バクニン省の工業団地で働く会計士の女性(34)もその1人で、毎週3回、勤務後に5km離れた語学センターへ通い、中国語検定HSK4(中級)の合格を目指している。
上司や中国人技術者と直接意思疎通ができるようになりたいとの思いから語学習得を決意したという。
同女性は外資系企業で英語による業務経験を積み重ねてきたが、英語だけでは限界があると感じ、2025年9月より約1000万ドン(約6万円)を投じて語学学校に通学している。
授業には製造現場のリーダーや事務職など、同じ志を持つ多くの労働者が参加している。
ベトナム国内における中国語学習の需要は、中国系FDIの拡大に伴い急速に高まっている。
人材プラットフォーム「Joboko」が発表した2025年の報告によれば、中国語を要件とする求人は約1万3000件に達し、前年の1.5倍、2023年比では倍増している。
日本語や韓国語を上回る伸びを見せているのが特徴である。
こうした求人の多くは、工場管理やオフィス業務において中国人経営者と直接対応することが求められる職種であり、中国語ができる人材の給与は、非対応者と比べて10〜40%高い傾向にある。
この傾向は今後少なくとも3年間は続くと見られ、多くの労働者がスキルアップの一環として語学学習に投資している。
ハノイ市で通訳者として働く女性(26)もまた、英語、韓国語、日本語に続き、2025年半ばから中国語の学習を開始した。
企業セミナーの通訳経験から中国語の将来性を実感し、現在はHSK2に到達したという。
ガイド業務や販売にも挑戦しており、将来的には企業通訳や事務職、化粧品分野での活躍を目指している。
バクニン省の語学センター「フオン・フオン」の運営者によれば、中国語クラスの受講者数は毎年30%のペースで増加しているという。
学生や若手社会人に加え、経験豊富なFDI企業の現職社員も多く参加しており、語学習得を武器に昇進や待遇改善を目指している。
中でも、HSK4相当の実践的な講座が経験者の間で高い人気を誇り、特に夜間クラスの需要が高まっている。
企業側も語学力を重視する傾向を強めており、これまで中国人が担っていたポジションにベトナム人を登用する動きが加速している。
こうした労働市場の変化は、学習者の意識にも影響を与えている。中には、就職前に語学力を身につけることで「履歴書の厚み」を増そうとする新卒者も見られるようになっている。





































