<写真:vietnamnet.vn>
ベトナムの観光需要は力強い回復を続けており、統計総局が2026年4月に公表したデータによれば、3月の訪越外国人数は約210万人で、前年同月比で1.3%増加した。
これにより、年初から3カ月連続で月間200万人を超える初の記録を達成した。
2026年1~3月の累計訪越外国人数は約676万人となり、前年同期比で12%超増加した。
第1四半期としては過去最高水準であり、ベトナム観光の回復力と国際競争力の高まりを示している。
入国手段別にみると、航空便が82.3%と圧倒的多数を占め、陸路は15.5%、海路は2.2%であった。
航空利用の比率が高いことは、中距離・長距離市場からの需要拡大を反映している。
中東情勢の緊張に伴う原油高や一部国際線の混乱が続くなかでも、航空旅客数が高水準を維持している点は、ベトナムのアクセス性と安全性に対する信頼の強さを示すものである。
一方で、陸路による訪問者も重要な存在である。
中国、ラオス、カンボジア、タイといった近隣国からの流入は、輸送コストが上昇する局面においても、安定した需要を下支えする役割を果たしている。
国・地域別では、中国と韓国が最大の供給市場であり、全体の約4割を占めた。
これに加え、東南アジア諸国からの伸びも顕著であり、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピンなどでは2桁成長を記録した。
欧州市場も好調で、全体では55%以上の増加となった。
英国、フランス、オランダ、北欧諸国などの長距離市場は、中東情勢による航空網への影響を受けながらも増加基調を維持した。
なかでもロシアからの訪問者は大幅に増加しており、ベトナムへの関心の高まりがうかがえる。
米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドといった遠距離市場も17~24%の伸びを示した。
これらの市場では、旅行先の選択にあたって安全性とアクセスのしやすさが重視される傾向が強い。
ベトナム当局は、政治的安定性や治安の良さ、リスク管理能力の高さが、訪問先としての信頼性を高めていると分析している。
さらに、多様な観光資源や文化的魅力、比較的低コストな旅行環境、査証緩和策なども、需要を総合的に押し上げる要因となっている。
世界的に移動コストが上昇するなかで、ベトナムは「訪れやすく、費用対効果の高い目的地」としての地位を確立しつつある。
今回の過去最高更新の背景には、こうした総合的な競争力の高まりがあるといえる。




































