<写真:dantri.com.vn>
南部ベトナムでバインミーによる食中毒が相次ぐ背景には、具材の多様さと高温多湿の気候が重なり、細菌の増殖や交差汚染が起きやすい構造がある。
ベトナム南部では2026年3月初旬以降、バインミーを食べた後に体調不良を訴える集団食中毒が相次いでいる。
3月3日から4日にかけては、ホーチミン市ブンタウ街区の路上店舗で購入したバインミーを食べた92人が医療機関を受診した。
さらに、数日前にもホーチミン市で22人、ドンタップ省の店舗でも70人以上が同様の症状を訴えている。
2025年にも複数地域で数百人規模の食中毒が発生しており、バインミーの安全管理が改めて課題となっている。
ホーチミン市食品安全局のファム・カイン・フォン・ラン局長によれば、バインミーは麺料理と異なり提供前に熱湯処理を行わないため、微生物汚染のリスクが比較的高い。
パテ、チャーシュー、ハム、肉加工品、漬物、香草など多種類の具材を同時に使用するため、いずれか1つの食材が汚染されると細菌が急速に増殖し、全体へ広がる可能性がある。
また、販売者が素手で具材を扱った後に現金を受け渡す習慣も、病原菌の伝播リスクを高める要因とされている。
さらに南部特有の高温多湿の気候も影響している。
室温で長時間放置された具材は細菌が増殖しやすく、購入後すぐに食べず翌日まで保存する習慣も食品の劣化を招く。
医療関係者によれば、パテやハムなどの肉製品、マヨネーズ、香草類は特に細菌汚染を受けやすく、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジウムなどが原因となる場合がある。
一方で、報道によって被害人数が実態以上に大きく見える可能性も指摘されている。重症で入院した患者と、不安から検査を受けた軽症者が合算されているケースがあるためである。
行政当局は衛生条件や原材料の証明書などを確認した上で営業許可を出しているものの、原因特定には課題が残る。
学校給食や集団食堂と異なり、一般のバインミー店には24時間の食品保存義務がなく、購入者もレシートを保持していない場合が多い。
このため、患者が実際に食べた食品と検査サンプルを直接結び付ける証拠を確保しにくい。
専門家は消費者に対し、購入後は可能な限り早く食べること、冷蔵保存が適切に行われている店舗を選ぶこと、販売者が手袋やトングを使用しているか確認することなどを呼びかけている。
同時に販売側にも、食材を5度以下で保存すること、生食品と加熱食品を分離して管理することなど、衛生管理の徹底が求められている。
































