〈写真:thuongtruong.com.vn〉
ベトナム各地でガソリンスタンドが販売量を制限したり、「売り切れ」の表示を掲げたりする事例が相次いでいる。
背景には中東情勢の緊迫化による供給不安があり、燃料の入荷遅れや需要の急増が主な要因である。
ハノイ市では3月6日朝、ハドン区クアンチュン通りのガソリンスタンドがガソリンの在庫切れを知らせ、軽油のみを販売する状況となった。
運営会社によれば、主力であるRON95ガソリンは前日夜に在庫が尽き、新たな供給の見通しは立っていない。
通常は1日約3万Lを販売しているが、直近数日は約3割増の4万Lに達し、在庫の減少を早めたという。
同社は複数の元売り企業に発注しているものの、配送時期は確定していない。
国営石油会社ペトロベトナム・オイル(PVOIL)から約8000Lの供給が予定されているが、店舗の販売量からみて1〜2時間で売り切れる見込みである。
こうした販売制限は他地域にも広がっている。中部ラムドン省では、小売事業者が自動車1台当たりの購入額を30万〜50万ドン(約1800〜3000円)までに制限し、携行缶への販売も停止した。
南部ホーチミン市近郊の店舗でも、1回当たり5万〜7万ドン(約300〜420円)程度に販売額を抑える措置が取られている。
アンザン省では、在庫があるにもかかわらず販売量を制限した店舗が当局の指摘を受け、罰金処分を科された。
一方、元売り企業は3月の供給についておおむね確保されていると説明する。
PVOILは主にシンガポールや韓国から燃料を調達しており、中東からの直接輸入は行っていない。
ただし、米国、イラン、イスラエル間の緊張が高まれば、ホルムズ海峡周辺の物流停滞などを通じて間接的な影響が生じる可能性があるとみている。
国内ではズンクアット製油所とギソン製油所の2施設が需要の約7〜8割を供給し、残りを輸入に依存している。
ベトナムの石油備蓄は約20〜25日分にとどまり、日本や韓国の約200日分、タイの約60日分と比べても低い水準である。
政府は市場監視を強化し、買い占めや価格の不当な引き上げを取り締まる方針である。さらに輸入資金の確保に向け、銀行による外貨や融資の優先供給も検討している。
また、戦闘激化の影響で世界の石油価格が上昇し、ベトナム国内の燃料価格も大幅に引き上げられた。
RON95ガソリンは1リットル当たり4700ドン(約28.2円)超値上げされ、灯油は約8500ドン(約51円)上昇した。
政府は基準価格が前回比7%以上上昇した場合、通常の週次調整を待たずに価格を改定できる仕組みを導入しており、今回の値上げはこの措置に基づくものである。

































