<写真:doanhnghiephoinhap.vn>
ベトナムのカフェ・茶飲料チェーン各社は、これまでの急速な店舗拡大から一転し、不採算店舗の閉鎖や運営効率の見直しを進めている。
市場規模は13億ドル(約2067億円)超で東南アジア第3位とされ、若年人口を背景に成長余地は残るものの、競争激化と収益性の圧迫が戦略転換を促している。
2018年に参入したミクスエは低価格帯の商品で急速に店舗網を拡大し、2023年には国内で1000店に達した。
一方で同社グループは最新の年次報告で、インドネシアやベトナムを中心に400店以上を閉鎖し、運営最適化を進めたと明らかにした。
2021年から2023年にかけては、各チェーンが積極出店を進めた時期である。
トコトコは約500店、ディンティーは200店規模に拡大し、ボバポップやジ・アレイなども存在感を高めた。
ただ足元では、店舗網縮小の動きが顕著になっている。
一方で、フックロンやカティナット、ハイランズ、スターバックスといった大手は引き続き出店競争を続けている。
運営面では効率化も進む。東南アジア全体で、チェーン各社は技術導入や標準化を通じた生産性向上を図っている。
ベトナムでも一定規模以上のチェーンではセルフサービス方式が広がり、チャジーはQRコード付きカップを用いた自動抽出・調合を導入している。
低価格帯モデルも拡大している。7000ドン(約42円)からの商品を扱う簡易型のテイクアウト店が学校周辺や人通りの多い地域で急増している。
これらは小規模なキオスク形式で人件費を抑え、効率的な運営に特化する。
インサイトアジアのファム・アイン・トゥアン氏は、市場が「再均衡」の段階に入ったと指摘する。
都市部では店舗密度の上昇により同一ブランド内での競合も生じ、平均売上の低下を招いているという。
店舗閉鎖は市場の厳しさを示す一方で、各社が不採算拠点を整理し、立地や店舗モデルを見直す戦略的対応でもある。
消費者の志向も変化している。都市部の若年層を中心に、価格だけではなく品質や体験価値を重視する傾向が強まった。
加えて低糖や自然素材、果物、植物性ミルクなど健康志向の高まりもあり、従来型の大量生産的な飲料は支持を得にくくなっている。