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ハノイ市ホアンキエム区中心部で計画される低排出地域の試行を巡り、住民の間で収入減や電動車への移行負担に対する不安が広がっている。
7月1日からの試行案では、週末の一定時間帯にガソリンバイクの通行が、ホアンキエム区中心部の11路線で禁止される見込みである。
旧市街周辺で荷物運搬や観光客輸送に従事する住民にとって、主要な稼働エリアが対象となる。
リーナムデー通り在住の男性は、ドンスアン市場から旧市街各所へ商品を運ぶ仕事に従事している。
1日あたり2〜3回、多い日は早朝から夜まで働くが、規制により顧客減少は避けられず、収入低下を懸念している。
月収は900万〜1000万ドン(約5万4000〜6万円)で、生活費や子どもの学費を差し引くと電動車の購入は困難である。
観光客輸送を行う他の男性も、週末が最も収入を得られる時期であるため、同時間帯の走行禁止は収入に直結すると指摘する。
電動車への切り替えには3000万〜4000万ドン(約18万〜24万円)が必要で、収入が不安定な中での負担は大きいとする。
また、旧市街の狭い路地では複数世帯が共同で生活しており、多数の電動バイクを同時に充電する際の安全面や、雨季の浸水による故障リスクにも懸念を示す。
一方、レライ通りに住む女性は政策自体には賛同するものの、週末の外出や来訪者の移動に不便が生じると指摘する。
電動車への移行を検討しているが、費用負担に加え、支援策や充電インフラの詳細が未公表である点、バッテリー性能への不安を挙げる。
ハノイ市人民委員会の提案資料によると、低排出地域に関する意見聴取では、対象地域および周辺住民の多くが依然として化石燃料車に依存しており、電動車や公共交通の利用率は低い。
住民は公共交通を中心とした環境対策には賛同する一方、代替手段が不十分な段階での規制や課金には慎重な姿勢を示した。
企業側も低排出政策の方向性には概ね賛同するが、転換コスト軽減のための優遇融資や手数料減免、充電インフラ整備などの支援策を求めている。
同資料は、低排出地域の導入について、公共交通インフラの整備と車両転換支援を並行させた段階的な実施が必要であると指摘している。
試行開始まで約2か月となる中、対象地域の住民は、車両転換支援策や充電設備の整備計画の早期公表を求めている。