<写真:nld.com.vn>
ホーチミン市で、インターネットを通じた短期的な出会いをきっかけにHIVに感染する若者の事例が相次いでいる。
ホーチミン市のクリニックを受診した10代の男性は、微熱や鼠径部のリンパ節腫脹を訴え、元交際相手に付き添われて来院した。
当初は一般的な感染症が疑われたが、性感染症の検査を行った結果、HIV陽性に加えB型肝炎の感染も確認された。
男性健康センターの医師によると、患者は自身の性的指向を周囲に隠して生活しており、診断結果に強い衝撃を受け、長期間にわたり不安定な精神状態に陥ったという。
医師は「これは単なるウイルスの問題ではなく、孤立や心理的支援の欠如の問題でもある」と指摘した。
同様のケースは珍しくない。最近では、カラオケやマッサージ後に受診した会社員の男性2人のうち、1人がHIV陽性と判明した。
もう1人はほぼ症状がなかったが、検査により感染が数カ月前にさかのぼる可能性が示された。いずれも結果に強い動揺を示した。
医師によれば、多くの患者は自身に感染リスクがあると認識していない。
排尿時の痛みやいぼ、喉の痛み、肛門炎など、別の症状をきっかけに受診し、初めてHIV感染が判明する例が多いという。
HIVは長期間、明確な症状を示さないことがあり、通常の生活を続けながら気付かないまま感染しているケースもある。
ホーチミン市ではHIV感染は若年層に集中しており、年間の新規感染者のうち15〜29歳が42%を占める。
感染経路の81%は安全でない性行為で、従来主流であった薬物注射による感染に代わっている。
新規感染者の約90%を占める高リスク群の中では、男性同士の性行為を行うグループが54%と最も多い。
背景には、若年層の早期の性行動や防護知識の不足、アプリを通じた匿名性の高い出会いの増加などがあるとされる。
また、コンドーム使用や検査、予防手段であるPrEPの利用に対する抵抗感や、相手の外見から安全性を判断する誤った認識もリスクを高めている。
さらに、社会的偏見が受診や検査の遅れにつながり、発見が遅れる一因となっている。
医師は、早期発見と適切な治療によりHIVはもはや致命的な疾患ではないとしつつも、長期的な管理が必要な慢性疾患であると強調する。
予防には、正しいコンドーム使用、定期的な検査、リスクが繰り返される場合のPrEPの検討が重要とされる。
また、無防備な性行為やコンドーム破損があった場合には、72時間以内のPEP使用が推奨される。
加えて、症状の有無にかかわらず、リスクのある人は定期的にHIV検査を受けるとともに、梅毒、淋病、クラミジア、B型肝炎、C型肝炎など他の性感染症の検査も行う必要があると指摘している。