〈写真:plo.vn〉
日本の高市早苗首相は、ベトナムの急速な発展について「昇龍の龍のように飛躍している」と述べ、強い印象を示した。
5月2日、レー・ミン・フン首相との会談後に行われた共同記者会見で、高市首相はベトナム訪問の機会に喜びを表明し、今後も両国の協力を強化する方針を強調した。
ハノイ市の旧称「タンロン(昇龍)」に言及し、近年の著しい成長を評価した。
また、多くの日本企業がサプライチェーンの重要拠点としてベトナムへの投資を拡大していると指摘したうえで、国際情勢が複雑化する中、ベトナムが戦略的自立性を重視し、積極的な対外政策を展開している点を挙げた。
こうした背景から、日本が掲げる「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の実現において、ベトナムとの協力強化は重要であるとして、今回の訪問の目的であると説明した。
同日、両首相は6件の協力文書の交換に立ち会った。
内容は、農村開発や気候変動対応インフラ整備に関する円借款契約、日本国際協力機構(JICA)との連携、低炭素成長に関する覚書、灌漑分野の技術協力、情報通信・デジタル分野での協力、衛星データ交換に関する合意の修正などである。
高市首相は同日午後、ベトナム国家大学ハノイ校で政策演説を行い、両国協力の将来やFOIPに関する日本のビジョンを説明した。
両首相は、日越関係を新たな段階へ引き上げるため努力することで一致している。
一方、日本からの対ベトナム投資は30年以上にわたり拡大を続けており、近年は製造業に加え、国内消費市場への進出が顕著となっている。
2026年第1四半期の日本からの新規投資額は約1億9130万ドル(約296億5150万円)で、新規認可外国直接投資(FDI)の1.9%を占めた。
累計では約5630件、登録総額は794億ドル(約12兆3070億円)を超え、日本はベトナムにとって第3位の投資国となっている。
日本企業は33の省・市に進出し、加工・製造業(61%)、電力(15%)、不動産(12%)などに投資が集中している。
ホーチミン市、タインホア省、ハノイ市、ハイフォン市、ドンナイ省が主な投資先である。
日本貿易振興機構(JETRO)の調査によれば、2025年にベトナムで黒字を計上した日本企業は67.5%に達し、過去15年で最高水準となった。
また、60.1%の企業が国内需要の拡大を理由に事業拡大を計画している。
小売分野でも進出が進み、イオンは全国で多数の商業施設や店舗を展開し、2030年までに事業規模を3倍に拡大する計画である。
高島屋やコクヨなども投資を拡大しており、2026年には昭和産業がホーチミン市で2100万ドル(約32億5500万円)規模の新工場を稼働させた。
ベトナムは人口1億人超の市場と高い経済成長を背景に、日本企業にとって重要な投資先および消費市場としての位置付けを強めている。