<写真:dantri.com.vn>
ベトナム財務省によると、信用格付け機関のMoody’sは4日、ベトナムの信用格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げる一方で、格付け自体はBa2に据え置いた。
今回の見通し引き上げは、マクロ経済の安定維持と制度改革の進展を背景に、同国の信用力が中期的に改善する可能性への信頼が高まっていることを示すものである。
同社は、2024年末以降に実施されている行政、法制度、公共部門における改革により、制度の質とガバナンスが明確に改善していると評価した。
制度再編や組織の簡素化、政府機関間の連携強化が進むことで、プロジェクト承認の効率向上、管理環境の改善、リスク低減につながるとみている。
また、デジタル化の推進、インフラ投資、人材の質向上、資本市場の発展により、経済競争力も強化されていると指摘した。
一方で、米国の保護主義的な通商措置によるリスクは従来予測より低下しているとし、経済成長と外国直接投資(FDI)の流入は引き続き堅調で、グローバル・サプライチェーンにおける地位を支えていると評価した。
格付けがBa2に据え置かれたことについては、強固な成長基盤、多様な輸出構造、内需回復、安定した対内直接投資が引き続き経済を下支えしているためと説明した。
財政面では、政府債務が低水準に維持され、債務返済能力も良好であること、対外資金への依存度低下により為替リスクが抑制されている点を強みと位置付けた。
さらに、エネルギー価格や輸送費、インフレ圧力といった外部要因の変動に対しても、安定した成長基盤と対外経済の緩衝力により適応力があるとした。
一方、銀行システムや不動産市場、制度上のボトルネックといった課題が依然として存在し、今後の格上げに影響を与える可能性があるとも指摘した。
世界経済の不確実性が続く中、今回の見通し引き上げは、ベトナムの政策運営と改革努力に対する国際的な評価を反映したものである。
なお、同国はアジア太平洋地域で唯一、同社から「ポジティブ」の見通しを付与されている国とされる。
財務省は今後も同社および国際機関と連携し、信用格付け評価に必要な情報提供を継続するとしている。